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河村 優

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カルチョの本場を歩く VOL.1〜VOL.5(2009年6月1日〜29日配信)

【執筆者プロフィール】
河村 優(かわむら すぐる)
1974年広島県生まれ。神戸学院大学を卒業後、イタリアに渡り指導者を目指す。
2006年ヨーロッパサッカー協会公認B級ライセンス取得。イタリアでは日本人で初めてFCユヴェントスサッカースクール指導者講習レベル3を修了、スクールコーチを務める。
2007年〜2009年TASAKIペルーレ、現在姫路独協大学にてプロコーチとして活躍中。

カルチョの本場を歩く VOL.1(2009年6月1日配信)

 Piacere!(はじめまして)
僕の名前は河村優(かわむらすぐる 通称Kawa)と申します。

『カルチョの本場イタリア』を歩き続けた指導者留学のエピソードをこの【スポまぐ@富山】で紹介させてもらうことになりました。
皆さんにとって数々の興味深いエピソードをおもしろおかしく伝えていけたらと思っていますので、ぜひ定期購読していってください。
僕がイタリアを目指した理由は…それでは『カルチョの旅』はじまり、はじまり~。

『カルチョの旅~プロローグ(1)』

 イタリアには、「CALCIO(カルチョ=サッカー)」という文化が存在します。

そこでは、毎日「CALCIO」から刺激を受けることができるといいます。もちろん、情報の発達によって日本でも、特に視覚の面から"認識"することはできるでしょう。

しかし、文化として根付き、国民の誇りとなっている「CALCIO」について、このスポーツを心底愛するイタリア人の気持ちについては、イタリア人との接触なしに決して理解できないのではないかと思うのです。

日本でも、サッカーの人気は急速に高まってきました。でも、皆なぜスタジアムへ足を運ばないのでしょうか? 色々と理由はあるでしょう。 でも、「良いもの」があれば、自然と 人は集まってくると思います。ということは、「良いもの」を提供しているかどうか、です。

「良いもの」とは?

それは、質の高いゲーム、雰囲気、情熱を伝えるプレイヤーや監督、地域に根付いたチーム愛など、すべてが絡み合って生まれるものでしょう。

 日本のサッカーのレベルは、決して世界にひけを取らないものです。特にユース年代では、世界のトップレベルにあると言っても過言ではありません。 もちろん、たくさんの指導者がおられて、その人たちが努力をしていないとはいいません。しかし、これから「世界を目指す選手たち」をサポートするには「世界をよく知り、日本の良さを理解している指導者」によって育成されるべきだと思うのです。

私自身も、何回かイタリアへ行き、フランス、イングランドなどを旅しましたが、まだ確固たるものが足らないと感じるのです。

 それは一体・・・。

 ではこの続きは次回に!

カルチョの本場を歩く VOL.2(2009年6月8日配信)

『カルチョの旅~プロローグ(2)』

 前回は、日本サッカーの人気の高まりの反面、「良いもの」とは何か。イタリアやフランス、イングランドなどを旅して、まだ確固たるものが足らないと感じると伝えられていました。

 「長期間、イタリアで修行を…」

 ついに決心してしまいました。
「イタリアでチームを率いる」という、とてつもなく難しい目的を胸に、日本を飛び出すことにしました。

誰も挑戦してないからこそ、やりがいがあります! 先駆者になれば、意識の高い指導者を目指す若者たち(教え子たちも含む)にもいろんなエッセンスや情熱を伝えられると信じています。何より元プロプレイヤーではない私がやるから価値が高いのです…。

あのイタリアのスタジアムでゲームを観戦するのが楽しみです。ゲームの内容もさることながら、プレイに一喜一憂し、観客が一体となって熱を発している、あの中へ私も飛び込みたいのです。
なぜあれほどまでに危機察知能力の高いセンターバックが存在し、その堅固な守備をこじ開けるストライカーが多数存在するのか? それは育成から生まれるのか?先天性なのか?果たして文化がそうさせているのか?

ビッククラブに立ち向かう集団を率いるにはどうすればいいか?それには戦術が存在するのか?その戦術はしのぎを削っている監督同士が戦うからこそ磨かれるのか?



 興味は尽きません。

 なんだか偉そうなことばかり書いてしまいました。どこまで達成できるかわかりません。(その前に語学が…(苦笑))

でも、「何を遂げたより、何を志したか?」が、今は重要と考えています。
ほんとうに、どこまでやれるかわからない。でも…

 

「行ってきます!」

 [河村氏は、2003年イタリアへ渡り、現地のジュニアチームのコーチや女子チームの監督となりCALCIOという文化に触れることとなりました。]

カルチョの本場を歩く VOL.3(2009年6月15日配信)

『DF消滅危機論1』

◆DF消滅危機論
 みなさん、Ciao!
イタリアのあるスポーツ紙におもしろい記事が載っていたので皆さんと考察していきたいと思います。

題名は、『カンナヴァーロ(現ユヴェントス)のDF消滅危機論』
副題は《彼はいつも一つの疑問を感じている:【多くのDFたちがボールばかりを警戒し、マークすることを忘れて成長している】》



 これは直訳したもので、隠喩的な表現も含まれているのでかいつまんで説明させてもらうと、何が消滅していっているか?「ゾーンディフェンスを重要視し過ぎているゆえにマークディフェンスをしっかりできていないまま多くの若いDFたちが育っている」ということです。
つまり1対1というDFにとって一番重要なキーファクターをしっかりと押さえ切れて
いないままゾーンディフェンスの仕方を習得することによって「自分は良いDFである」と勘違いしたまま成長しているDFのプレイヤーが多いということを物語っています。


◆カンナヴァーロvsマラドーナ?!

 カンナヴァーロは新聞紙上でこう語っていました。

【私は幸運なことに攻撃者に対してタイトなマークをすることを覚えながら育つことができた、とくにナポリ時代にはマラドーナという破壊的な攻撃者が存在したからこそ良い手本をたくさん観ることができた。チロフェッラーラ(※2004年ユヴェントスで現役を引退)は代表的な模範者だ。そしてこれは今も私の生命線となっている。

しかし今日多くのDFたちはボールをしっかり見ることに集中し、それに反してタイトなマークをすることができていない傾向を私は感じる】



 引き続き彼は熱く語りました。

【ゾーンを意識することは重要である。しかしゴールに近い攻撃者こそ危険だ。彼こそゴールを奪う最短距離にいる。なのに若い年代で現在教えられているのはゾーンディフェンスであって、その戦術的な動き方を執拗なまでに繰り返している。逆に基本的な攻撃者に対する1対1のマンマークはなおざりにされているまま…。】



 では、続きは次回。

カルチョの本場を歩く VOL.4(2009年6月22日配信)

◆DF育成停滞の反面
 前回からカンナヴァーロがイタリアのスポーツ紙面で語ったDF消滅危機論について紹介しています。マークDFができないまま若いDFが育っていると。
その反面、現在イタリア代表にはFWや中盤で素晴らしいプレイヤーは育っています。
例えばジュゼッペ・ロッシ(ヴィジャレアル)やモントリーヴォ(フィオレンティーナ)。


◆DFの後継者不足
 一方でDF陣たちは中央で言えばカンナヴァーロ、ネスタ(ミラン)の後に続くプレイヤーは出てきていません。マテラッツィ(インテル)、バルザーリ(ヴォルスブルグ)といった選手は前回ドイツW杯で活躍を見せましたが、彼らも前述した偉大な二人の後継者とは残念ながら認めることはできないでしょう。
若手といえばキエッリーニ(ユヴェントス)・ボッケッティ(ジェノア)がようやく台頭し始めてきた感じですが絶対数が少ないと言えます。




 そしてサイドに目を移してみても高齢のパヌッチ(現ローマ選手)以降、際立った若手選手が育っていないのも事実です。ベルゴミ(元インテル・イタリア代表、DFの選手)は【4バックの右サイドでいまだに一番信頼がおけるのはパヌッチ】だと言及しています。攻撃面で言えばモッタ(ローマ)に期待できそうです。

左サイドにおいてはザンブロッタ(ミラン)以外には選択肢がないぐらいだとイタリアのサッカー関係者は騒いでいます。モウリ―ニョ(インテル監督)が見出したインテルのサントンに注目してみたいものです…イタリア代表のリッピ監督も彼をコンフェデレーションズカップに召集したようです。


 そしてここでもベルゴミは語っています。
【多くの育成年代コーチたちが早くから守備面において集団戦術的なことを求めて過ぎている。まず始めに教えなければいけないことは個人戦術における1対1のマークの仕方でなければならない。】

 イタリアDFについては誰もが危機感を抱いているようです。

 ではまた次回。

カルチョの本場を歩く VOL.5(2009年6月29日配信)

◆攻撃だけではなく、DFも芸術である
 イタリアスポーツ紙面でのカンナヴァーロが語るDF消滅危機論を取り上げていますが、前回では、DFの後継者が不足していると話しました。

 続いてカンナヴァーロはこうも語っています。

【私みたいなタイプのDFプレイヤーは徐々に少なくなってきている。攻撃者に体をぶつけてどう彼をピッチ上の危険ではない(守備者にとって)ゾーンへ導くか?それは昔ながらのペナルティエリア内の闘い、そしてそれを未然に防ぐ思慮深い考察という芸術であり、マンマークをきっちりと遂行するための生命線でそれを知っているDFが以前は数多くいた。】


◆アリゴサッキの亡霊?!

 さらにカンナヴァーロはゾーンDFが過剰に教えられ始めた原因についても語っています。
【アリゴサッキがゾーンプレスという戦術を生み出したのは事実であり、世間で極度な戦術の話をされるときに容疑者として彼が一番に指名される。しかしサッキはDFにおいてマンマークを強く求めていた。ゾーンDF=攻撃者に対するマークよりもゾーンを優先するという意味ではない。】
【罪はサッキにはない。しかしひょっとしたら育成年代のコーチたちの中でサッキが示した概念に少し混乱した可能性が高い。ゆえにサッキの罪ではなくサッキズモ《サッキイズム》がエラーの原因である。】


◆サイドバックに求められる現代サッカーの役割

 【そしてそのサッキズモは昔のサイドバックの仕事を劇的に変えてしまった。それはそのゾーンに入り込んでくる攻撃者を抑えるだけでなく、攻撃の基点としても技術的な部分を要求する、いや現代に至っては攻撃することこそが重要に思われており、そういった堅実的なサイドバックは中央のDFを任されるような時代になった…。】

【そういったゾーンDFの中で成長していっているDFは一人のFWのプレイヤーと戦う準備が不足したまま成長して行っている、インターセプト・1対1の間合い・相手を自分の懐に誘い込む術・相手攻撃陣の連係プレイを上手くさせないためのキープレイヤーを寸断する方法etcを知らずに…。】

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